今回はインナーマッスルとアウターマッスルの違いについてお伝えしたいと思います。
次回アウターマッスルについて取り上げますが、この筋肉たちはお互いに協力している関係のため、戦っている訳ではありません。ただ、よく比較されることの多い筋肉ですので、知識的に覚えておくと今後のエクササイズや筋トレに効果があるでしょう。
では、一体何が違うのでしょうか?
インナーマッスルとは深層にある縁の下の力持ちのような筋肉です。
そのため、力こぶや大きく隆起しているような筋肉は全てインナーマッスルではないのです。一般的にインナーマッスルというと”体幹”をイメージされる方も多いかもしれませんが、関節にはほぼ全てこのインナーマッスルが存在しています。
インナーマッスルの役割は
などがあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
インナーマッスルはアウターマッスルと協調して関節の運動を滑らかにします。
どういうことかと言いますと、アウターマッスルだけが働いているときは関節の運動は大きくなり過ぎてしまい、正しい関節の動きが行われなくなってしまうのです。
肩関節を例に見てみましょう。
肩関節はボール状の関節になっており、その周囲を回旋筋腱板(ローテーターカフ)という、インナーマッスルがボールを掴むような形で存在します。その上を、肩の隆起している三角筋という大きなアウターマッスルが被さっており、両者が働くことにより腕を外側から挙げる(外転)という動作が可能になるのです。
肩関節を囲む回旋筋腱板
肩関節に被さるように三角筋がある
もし、インナーマッスルが働かず肩関節のアウターマッスルである三角筋だけが機能してしまうとどうなってしまうでしょうか?
筋肉の協調性がある状態
スムーズに肩が挙がる
インナーが効いていない状態
関節が詰まり挙がらない
このように、正しい関節運動が行われずに関節が詰まってしまうのです。
この状態を放置し、関節の動きが行われ続ければ関節自体の炎症や関節に軟部組織が挟まる(インピンジメント)と言った状態になり最終的には四十肩・五十肩になってしまうのです。
これは関節全てに共通するため、どのインナーマッスルも重要です。
この機能を持つインナーマッスルは
といった体幹の筋肉になります。
特に腹横筋や骨盤底筋群は年齢とともに弱化しやすく、内臓が下に下垂してしまうような状態をよくみます。一見、脂肪が溜まりお腹が出ているように見えるかもしれませんが、実は内臓下垂によってそう見えているだけかもしれません。
これらの筋肉に効果的なエクササイズを行うことで短期間でぽっこりお腹が改善したケースも少なくありません。
内臓を支えるインナーマッスル
妊娠時は胎児の成長とともにこれらの筋肉は伸張され、妊娠中や産後にトラブルになることも多いため、産前・産後から鍛えておく事が重要と言えます。
これらも主には体幹のインナーマッスルの機能ですが、姿勢とインナーマッスルは切っても切れない関係です。誰しも猫背や反り腰などの姿勢よりも、ピンッと伸び上がったキレイな姿勢の方が憧れますよね。
あなたがもし、意識的に姿勢をよくしようとしているのであれば、
それはすでにアウターマッスルを効かせてしまっているかもしれません。
インナーマッスルの特徴は不随意運動(コントールできない)であるという事です。
つまり、腕を曲げようとした時にはアウターマッスルを使い、インナーマッスルは自動的に使われているという事なのです。
そのため、ピンッとキレイな姿勢を意識に取るのではなく、無意識に取れるようにならなくてはいけないのです。これらも体幹を囲む
と言った筋肉の協調性が必要になります。
胸を張ったりせずにお腹を薄くし、真っ直ぐ伸び上がるようなイメージを持つことが大切なのです。
日本人は欧米の方と比べて、平均的に小柄な人種になります。
それでも、スポーツでは当たり負けせずに世界の大柄な選手と渡り合っていますよね。
(サッカーの長友選手なんかは良い例ですね。)
このように身体は小さく、細くても負けないのは強靭なインナーマッスルを持っているからです。
先ほどの姿勢保持と同様に、体幹の筋力が弱ければ身体は支える事ができずに潰れてしまいます。身体の中心である肋骨から骨盤までの間は、骨による安定性が背骨だけしかないからです。
そのため、体幹筋がしっかりしていることで、骨の安定性を補うだけでなく、前屈動作などの身体を折りたたむと言った相反する動きが可能になるのです。
芯のように弱い場所があると簡単に潰れてしまう。
重要な要素の一つに安静時の呼吸に関わるという点があります。私たちが意識をしなくても呼吸を続けられるのは、横隔膜が自動的に収縮と弛緩を繰り返してくれているおかげなのです。
横隔膜は他の筋肉に比べて、関節を動かすことはありませんが、
横隔膜の模式図
と言った機能があります。肋骨の内側にへばりつくような形の横隔膜ですが、猫背などの姿勢によって位置に変化が生まれてしまいます。すると、十分な機能が果たせず、肋骨自体も広がらないため、横隔膜が硬くなってしまうのです。
また、横隔膜と連動するように骨盤底筋群は動くため、双方の柔軟性が重要と言えます。
いかがだったでしょうか?
インナーマッスルはこのように見えないところで支えてくれている縁の下の力持ちなのです。
アウターマッスルと比較すると、
インナーマッスル | アウターマッスル | |
---|---|---|
関節運動 | 滑らかにする | 強い力を発揮する |
呼吸 | 安静時 | 努力性 |
コントロール | 無意識 | 意識的 |
支持 | 内臓を支える | 外的要素から守る |
このような感じです。
どちらにしっかりと使えることが大事ですが、
はインナーマッスルから鍛えていくことをお勧めします!
当院では、鍛えにくいインナーマッスルをピラティスを通じて鍛えています!
みなさんも内側から強い身体を目指しませんか?
院長 荒井 俊輔
業界歴10年、述べ3万人以上の治療実績を積んできました。産後の崩れや姿勢の悪さは、身体の痛みだけでなくあらゆる病気の元となります。当院独自のつむゆうメソッドでいち早くその問題から解放され、笑顔あふれる毎日を取り戻しましょう!